資料整理と目録の大事さ
先日、「当社もいずれは社史を作成しなければならない、そのときのために、今どうしたらいいでしょうか」と、ある得意先から聞かれました。
よい社史を作るために、心得なければならないことに「方針、組織、資料(が大切)」という、いわば社史づくりのコツがあります。
「方針」とは、記録整理・保存のために、今回は外部にPRというより内向きに作ろう、とか、当社の技術の歴史に焦点を当てた技術史を作ろう、とかいうものです。
「組織」とは、内部のどの部門で遂行しようか、こういうものは専門家のアドバイスやノウハウが重要と思われるので、どの制作会社とコラボレーションを組もうか、とかいうものです。
最後の「資料」とは文字通り、社内外の資料です。企業資料とは、事業報告書にはじまり、社内報、有価証券報告書などから、文書に限らず写真・音声・映像・物品またはデジタルデータといった多様な形態のものまで含みます。
どんな立派な方針を立てても、どんなパワフルな組織を作っても、「資料」が無ければ、具現はいたしません。
あると予想される、資料のめぼしを付けて収集し、目録を作成し、どのような内容のものがどこにあるのかの所在情報をきちんと作ること、PDFなど電子化し たからといって原本はむやみに捨てないこと、お話を聞きたいOB、関係者には、インタビューし、テープを保存して置くこと、などを助言させていただきました。
これは、なにも、社史作成に限らず、現在進行形の文書、資料にも言えることではないか、と思われます。従業員個人の文書から始まって、組織共用、事業部、 全社的な文書や印刷物、と一元的に見られるシステムは日本の企業の場合、あまり見受けられないように思われます。ナレッジマネジメントが重要と言われるなか、これからの課題と思われます。
文書・資料収集と目録作成が、戦略的情報武装としてのアーカイブ構築の第一歩です。