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アーカイブコラム

2009年10月9日

●発行者:出版文化社アーカイブ事業部
周年記念映像、資料の電子化、Web社史、データ時代に対応した周年記念コンテンツの制作

地域史の再生産の場で

かつて半年ほど、奄美諸島の歴史資料調査事業に参加したことがあります。

奄美諸島は、九州と沖縄島の間の南北約200kmの海域に広がる、有人8島、無人5島から成る島々です。現在、約12万人余りの人々が暮らしています。

当時、私が調査に回ったのは、主に奄美大島と喜界島。調査を通して、集落の公民館で管理されている近世期の村方文書や、近現代の集落自治資料、個人のお宅に伝わっている系図や家政資料、航海日記等、実に様々な資料と、それらを大切に守る人々に出会いました。棚から大切そうに系図と古琉球時代の辞令書が入った木箱を取り出され、資料を前に語られる、お家に伝わる先祖のお話、集落史にまとめられている歴史とはまた異なる、もう一つの集落の歴史。尽きぬお話に、あたりが暗くなるまで耳を傾けた日をなつかしく思い出します。

いわゆる古文書等の歴史資料は、図書館や博物館、文書館で管理されているものばかりではありません。とくに、離島部の人々が生きた歴史を伝える資料に関しては、個人のお宅や集落の公民館等で代々大切に伝えられているものが大部分です。

資料の保管方法についてたずねられることもよくありました。資料が生まれたその場で、資料にゆかりがあり、思い入れのある人々に守られ、伝えられることは、資料にとってとても幸せなことです。

調査を通して、資料の重要性を確認し、これまで、この資料が伝えられ、ここに出会えたことに感謝し、そして、いま在る環境下で最も適した保管方法を所蔵者と共に考える。このような小さな出会いの喜びの積み重ねを通して、調査者として、資料を守り、次世代に伝え、地域の歴史と文化を再確認し、再生産していく 営みに、ささやかながら参加できるのかもしれません。

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