資料整理と目録
資料整理の際、必ずといっていいほど行われるのが資料目録の作成です。
整理対象資料の全体像をつかむため、ざっと、資料のタイトルを紙に書き取ってみるレベルから、目録情報をデータベース化し、資料検索・管理に活用するレベルまで、必要に応じて様々なレベルの目録が作られます。
資料をざっと把握できればよいのであれば、紙に書き取るだけでも当面の用は足ります。目的によっては必要最小限の項目を設定し、Excel等で目録情報を整えるだけでも十分な場合があります。さらにその情報を、ファイルメーカー、アクセス等のデータベースソフトを用いてデータベース化し、簡単な検索、登録 の仕組みを作るだけでも資料整理は前進します。低コストで気軽に導入でき、ある程度自力でカスタマイズも可能です。資料整理、管理のはじめの一歩としてぜひお試しください。しかし、異なったシステム間での情報共有が可能で、将来的なシステムの移行等にも耐え得る、汎用性が高く、長期活用できる目録情報を整えていくためには、項目、記述方法等の標準化が必要です。
目録記述の標準化は、図書館では早くから進められており、日本の多くの図書館では、「日本目録規則」(NCR)が主に用いられています。公文書館等で管理される非現用公文書に関しては、General International Standard Archival Description (ISAD(G)) と、それに対応したEncoded Archival Description (EAD) による標準化の動きが見えます。
企業文書の目録記述の標準化に関しては、まだ大きな方向性が見えませんが、文書・記録管理の国際規格 ISO 15489、ISO 23081、インターネット上のメタデータ(データに関するデータ)の国際規格 ISO 15836(Dublin Core)や、各種関連法規の規定等にも留意し、標準化を志向した目録情報を作成していく努力が必要です。