個人資料の整理法 準備編
企業の資料は文書ばかりではありません。創業者の書簡や日記、書画、写真、蔵書等の個人資料をまとめてご寄贈いただくこともあります。 時代的には近代以降のものの場合が多いです。
過去に寄贈されたもの、収集したものを改めて整理するというケースが多く見られます。整理の準備作業として、まずは、これまでの経緯を確認しましょう。
寄贈時の所蔵者、所蔵場所、寄贈者、受入側の担当者、寄贈時、寄贈の経緯等を確認する必要があります。当時の関係文書を参照したり、関係者からヒアリングして確認を取ります。資料現状の写真記録も撮っておきましょう。
この段階では箱に収められていたり、封筒に入れられて積まれていたりという外観、保管されている場所の様子等を記録しておきます。
また、一度整理が試みられ、中断している場合もあります。その場合は、いつ、誰がどのような整理を試み、どこまで整理が進んでいるのか確認します。
以前の整理作業で、資料リスト等が作成されている場合は、当時のリストと、現資料との照合作業も必要です。必ずしも全てがそのまま保管されているとは限りません。
次に、現状のまとまり単位の資料リストを作成します。
封筒に納められていたり、紐等で束ねられていたり、またそういったものが箱に収められていたりというまとまりを1件としたリストです。
まとめられている状態の写真を撮り、資料IDを付与、現資料のおおまかな内容、作成時期等の項目でリストを作成し、資料全体の保管状態とその構成を記録するとともに、内容構成を把握する手がかりとします。
封筒や資料の束に、リスト上の資料IDを書き込んだ紙帯をつけたり、付箋をはさんだりして、資料リストと現資料とを照合できるようにしておきましょう。
以上で準備作業がひととおり完了です。
以降については次回のご説明にしたいと思います。