展示室にない資料を見るためには
博物館には、今まで博物館が収集してきた資料が展示されています。
しかし、展示室で見ることのできる資料は、収蔵庫に収められている資料のごく一部です。
展示室のスペースは資料を展示できる場所が限られているので、泣く泣く収蔵庫で眠らざるをえない資料がたくさんあります。
そのような、日の目を見ない資料たちは誰にも見られないままずっと眠ったままかというとそうではありません。
博物館へ資料閲覧の手続きを申し込む以外に、次のような方法で見ることができます。
○バックヤードツアー
普段、博物館の収蔵庫は資料を大切に守るために厳重に管理されています。
しかし、なかには「博物館の裏側をみて、博物館のことを知ってほしい」という趣旨で、バックヤードツアーを開催している博物館があります。
これが資料をみるチャンスなのです。
この他にも、大切な資料をどのように保管しているのか、職員はどのような作業をしているのか、展示室だけではわからない資料の薀蓄などを聞くことができる良い機会です。
このバックヤードツアーは、博物館だけでなく美術館・水族館・動物園・図書館、はたまた野球場や競馬場といったさまざまな施設で開催していますので、「普段は見ることができない施設の裏側を知りたい」、「将来、この職業に就きたいので今から勉強したい」という人にオススメです。
このイベントは九州国立博物館や沖縄県立博物館・美術館をはじめとしたさまざまな施設で開催されていますので、その施設のホームページやイベントのチラシを見てみると良いかもしれません。
○デジタルアーカイブ(収蔵資料検索システム)
もうひとつは、博物館のホームページで公開されているデジタルアーカイブ(収蔵資料検索システム)です。
これにより、家にいながらその博物館で収蔵している資料をデジタル画像で見ることができるので、インドア派の人にオススメです。
博物館によっては資料画像を拡大できたり、詳細な解説文があったりと、デジタルアーカイブならではの特徴的な機能があります。
このように、デジタルアーカイブには、普段見られないような資料を広く公開するという活用方法があります。
以上のように、資料を見る方法にはいろいろありますので、是非、利用してみて下さい。
ヘリテージサービス事業部アーカイブ担当 山本 隆晃
総合博物館の民俗分野の学芸員として、資料の整理や展示などに従事した後、現職に至る。