資料の保管場所
-どこに、何を、どれくらい-
-どこに、何を、どれくらい-
先日、オープンした和歌山市の図書館分館の書棚に空きがあることに対し、和歌山市議がtwitter上で疑問を呈し、議論となりました。
市議は、民間の本屋では空棚があるような状態ではオープンしない、と本屋と図書館の書棚と比較しています。しかし、本屋のように、本の発売時期や売れ筋、販売や返品で入れ替えることがないのが図書館。和歌山市図書館分館の実際の事情は分かりませんが、図書館の書棚は今後増加する本を保管するためのスペースを見越して計算し、空けておくのが通常です。空けておかないと、いざ新しい本を受け入れた時に配架する場所がない、ということになりかねません。
保管場所の問題は図書館に限らず、オフィス内の文書、アーカイブの資料でも同様です。捨てられず、増えていくばかりの資料を保管しておく空きスペースがなく、頭を悩ませている方も多いのではないのでしょうか。
一般的に、資料を保管する場所、方法として以下の例が考えられます。
1.決まった一か所に集中させて保管(資料室など)
2.数か所に分けて保管(各部署のスペース、資料室分室など)
3.外部の保管場所に預ける(資料保管業者、倉庫など)
1のように、一か所にまとめて保管することができると、資料の利用がしやすく、また、散逸する危険性が減るため理想的ですが、なかなかそのような場所は確保できません。
いずれの方法を選択するとしても、重要となるのは、「保管すべき資料の選別」と「資料の把握」です。
選別基準を定め、基準に則って保管すると決めた資料の目録を作成しておくと、たとえ保管場所が分散していても、資料が「どこに、何が、どれくらい」保管されているか把握し、利用することができます。保管場所も重要であり、資料を保管するまでの過程も重要です。
もしもお悩みの場合は、ぜひ、ご相談ください。

ヘリテージサービス事業部アーカイブ担当 小清水 萌木
大学図書館で司書として、レファレンスや図書資料整理に携わった後、現職に至る。